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観光コンサルタント西川丈次(じょうじ)ホスピタリティ・コンサルティング|ブログ

観光コンサルタントが経営支援するホスピタリティ・コンサルティング・ブログです。観光業界・旅行業界・旅館・ホテル・旅行会社・バス会社・タクシー会社・観光協会・地域活性化のために、ホスピタリティ・創客による未来へ続く企業づくりと観光まちづくりを応援します。

2010年08月 | ARCHIVE-SELECT | 2010年10月

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こんな旅がしたい

軍艦島で出逢った感動

今回で2回目の軍艦島上陸です。

前回は初めてだったので、
その感動も大きく、
興奮しっ放し。といった感がありました。

そして、今回は2回目です

その風景は変わらずにそこにありました。
しかし、
前回にない感動が私を襲ったのです。
泣きました。
思わず、泣いちゃいました。

その原因は、たった一つ。
ガイドさんのちがいでした。

前回のガイドさんが悪いわけではありません。
素晴らしい案内でした。
満足もしています。
説明は、ひょっとすると前回の方々の方が
詳しかったかもしれません。

今回、軍艦島を案内して下さった方は、
NPO 軍艦島を世界遺産にする会
の理事長 坂本道徳氏です。

DSC01876.jpg
    坂本さんと:軍艦島にて

実は一回目に行った時に強烈に感じたのです。
これは、すごい旅行商品である。
このままで十分な価値があるツアーだと。
しかし、
私の中には、何かが足りない!と感じていたのです。

事務所に戻って、そのことを考えていた時に
ふと頭を過ったのです。
軍艦島が無人島になったのは、わずか35年前。
ということは、
その島に住んでいらした方がいるはずだ。
その方の話が聞きたい

早速、スタッフが各方面に電話をかけ、
探してくれました。
数時間後…。
「西川さん、
   見つかりました

うれしい、飛び上がりたいくらいの報告でした

そして、
さらに、その方のことを聞いてびっくり
最高の方を見つけてくれたのです。

それが、坂本さんです。

小学校6年生の時に、軍艦島に移住され、
そして、軍艦島で育った方です。
11年前に、25年振りに同窓会をされて、
軍艦島に行こう!と話が出たそうですが、
変わり果てた故郷を見るのは忍びない
という声が多かったそうです。

そんな矢先に、
ある新聞に、元軍艦島に住んでいらした方の、
軍艦島を離れる時の想いを書かれた手紙が公表されたそうです。
その手紙を書かれた方の名前を見て愕然とした。
そこに書かれた名前は、
坂本夫人のお父様の名前だったそうです。

閉山からわずか3ヶ月で、
その島を出なければならなかった人たち。
1974年4月20日午後4時50分
最後の連絡船が出た後、
その島は無人島になったのです。
それと同時に、故郷を失くした人たち。
そんな多くの想いを元島民として感じた坂本さんは、
この島を未来に残したい!という強い想いから、
7年前に軍艦島を世界遺産にする会
NPOとして認証を取られたのです。

語られる言葉に、重さがあります
一緒の行った方々の何人もの方々が、
目にハンカチを当てながら、
坂本さんの話に耳をかたむけていらっしゃいました。
前回にはなかった風景です。

DSC01833.jpg
高島にて:軍艦島の全体模型を前に
      (坂本さんだけは上陸?)

DSC01857.jpg
軍艦島にて:ストーリー性を持って、すべてを一人で語る


私が創りたかった旅は、
こんな旅です。


観るだけではなく、
何かを学び、そこに何かを感じてもらいたい。


軍艦島は、
単なる観光地ではない、と思うのです。
そこから学ばなければならないことが、
たくさんあるように感じたのです。
この島は、
かつて、人の営みがあり、
子供たちの笑い声のあった島です。
坂本さんは、少しの間、静かにして
この島の音を聞いて下さい。
とおっしゃった。
風と波の音しか聞こえない。
そんな島です。
しかし、
今も私たちに多くのことを語り続けているように
思えてならないのです。

ただ行けばよい。
それでは一度行ったら、
「もう行った!」で終わってしまいます。
今、多くの旅行会社が作り続けている
「観光地の使い捨て」です。

人気がなくなるから仕方がない
ちがいます
そんな旅の作り方しかしていないからです。
多くの観光地がその犠牲になってしまっていることを、
私は悲しくてならないと思うのです。

一緒に行った方の話を伺うと、
もう一度坂本さんの話を聞きたい。
もっと聞きたい。
もう一度行きたい。
そんな声がたくさんありました。

そこにある観光地をどう観るか?
単に連れて行くだけでは行けないのです。

「観光」
確かに、使い古された言葉です。
しかし、
坂本さんは、
こうおっしゃっていました。
「観光で良い。
  観光とは、観ることにより心に光を得るもの。」


その通りだと思いました。

このブログを読まれる
多くの旅行会社の方々にお願いがあります。
坂本さんは、とても素晴らしい方です。
私どもの依頼を快く引き受けて下さる
気さくな方でもあります。
それだけに、
どうか無理なお願いはしないで下さい

みんなで日本の宝である「軍艦島」を、
大切にしていきましょう。
そこは、
今も元気に日本の各地でご活躍されている多くの方々の
大切なふるさとでもあるのですから。

こんなコマーシャルがあったのを
覚えていらっしゃいますか?

1982年の公共広告機構のCMです。
私にとってそれは、衝撃的なものでした。
今もはっきりと思えています。

それが、端島。
通称「軍艦島」のことであったとこと
今回の旅で知りました。


「島は宝島だった。
 石炭が見つかり、人々がやって来た。
 人々が働いた。
 周囲1.2kmの島が、
 町になった。
 4,000人もの暮らしがあった。

 子供たちが生まれた。
 大きく育った。

 1年…10年…30年
 
 石炭を掘りつくした時、
 人々はいなくなった。
 暮らしがなくなった。
 資源と共に、島は死んだ。
 丁度80年目だった。

 私たちも今、資源のない国
         日本に住んでいる。」



今、軍艦島には緑があります。

DSC01893.jpg
  坂本さんが住んでいた頃は、
  緑なんてまったくと言ってよいほどなかった島だったそうです。

人がいなくなって35年。
当時、緑など全くなかった島だったそうです。
人がいなくなり、
緑が戻った。
これもまた、
今の日本の近未来にしてはならないことですね。

観光地も同様です。

観光業者の都合で、
利益を得るためだけで、
その観光地を利用してはならない。
そこには、暮らす人々の生活があります。
そこを故郷とする人がいます。
そして、
私たちが未来に残さなければならない
人類の宝でもあるのです。

土足で、その中を物見遊山的に観て、
あきたら次のところへ…。

そんな観光はもうやめて、
先人から受け継ぎ、
子供たちにバトンタッチすべき財産
を守る。
そんな旅を創りましょう


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